“老い”と向き合う(3)
シリーズ投稿3回目。
自宅内での生活が、なぜ母にとって危険なのか?
3度の背骨の圧迫骨折と3度の脚の酷い擦り傷。
ここ4年の間で繰り返した母の怪我です、
それぞれ怪我をした場面や細かな事象がありますが、大きな背景(原因)は同じです。
ひとつ挙げれば、現在の母の状態にとって「自宅」という生活空間が広すぎるんじゃないか?
そう考えます。
とにかく動いていないと落ち着かないところがある母は、
たとえ用が無くとも、あっちこっちウロウロするのが癖でした。
最初の圧迫骨折は、浴室の中で、たまたま何かの拍子で捻ったのか、やってしまったものの、
その後の2回はいずれも「何もしていない時」に骨折しています。
コルセットを着用して、主治医からは、安静な時間をたくさん持つように言われながら、
あっちへフラフラ、こっちへフラフラ・・・
誤解が無いように補足しますと、母がそんなに忙しなく動かないといけない仕事などありません。
ただ「行く先」があるから歩いている状態。
かつては、それだけ屋内のあちこちで主婦としての「仕事」があったわけですが、
今となってはやることはないのです。動くのは「癖」。
たとえば、母にとっての洗濯とは、もはや「趣味」なんです。
「洗濯物」があるから洗うのではなく、洗いたいがために洗う、というのが母にとっての洗濯。
これ、あまり理解されないでしょうね(苦笑)
父が死んで、家族の洗濯物は本人が使ったもの以外には無くなりました。
それでも、洗濯するために使わなくてもいいものも、どんどん使っては洗う。
しかも、母は全自動を嫌い、長年ずっと二層式を使用しています。
いちいち「労働」しないと落ち着かないといいます。
違うやり方で手助けしようにも、一切受け入れたりしません。
気に入らないと平気でまったく同じことを、自分のやり方でやり直したりします。
そのうち身体に負荷がかかり、怪我(骨折)をする・・・
危険だということを直そうにも、これも受け入れません。
母は段ボール箱をひっくり返して、角をガムテープで補強した「オリジナルミニテーブル」を使います。
電話を置いたり、ペンやメモ、爪切りや耳かきなどを置くためです。
実は、これが母にとって「凶器」になりました。
夜中にトイレに立った際だと想像しますが、この角に脚をぶつけて、
皮膚が異常に弱くなっている母の脚には、見るに耐えない酷い擦り傷が・・・
「えぐれる」と表現したほうがいいかも知れません。
これを1年の間で3回繰り返しています。
「危ないから、これは使わないで!」
・・・聞き入れません。
最初連れて行った病院では、明らかに「ひょっとして虐待?」というナースの視線を感じました。
ちなみに痴呆症状もあるためなのか、なぜこんな怪我をしたのか分からなくなり、
日に何度も電話で私や家内に尋ねてきます。
「私はいったい何をやったの?」
毎週治療に通い、ようやく直ってきたと思ったら、また別の箇所を同じように怪我。
また治療のやり直し。母の傷は直りが遅いのです。
また毎週の通院が「リセット」されます。
いったい何ヶ月、仕事の合間を縫って、母を病院へ連れて行かなければいけないのか・・・
それも、やらずに済むような怪我で・・・
とにかく執着心の強い母にとって、
長年染み付いた、自宅での日々の生活リズムややり方を変えるということは
どんなことを突きつけられるより困難な事のようでした。
思い返せば、母のパーソナリティ障害の傾向は、ずっと前からあったかも知れません。
そこにアルツハイマーが加わったというのが、実際の順番なのかなと思ったりします。
そういうわけで、やることが無く、生活スペースにも限りのある
高齢者施設のほうが、身体的にはずっと安全なのです。
自宅が危険な理由にはもうひとつ。
自宅では際限なくわがままが通ります。
このわがままで一番困るのは食事です。
食べないのです。
好き嫌いが多い。
作った人によって選り分けて食べない(前回触れた通り「捨てる」)。
食べても極端な偏食。
そりゃ基礎体力だって、頭の状態だって、こんな食生活じゃ良いコトない!と思うほどです。
事実、母は、高齢者施設に入って血色もよくなり、
幾分ふくよかになり、精神的にも落ち着いてきているように感じます。
明らかに栄養が不十分だったのです。
今回はちょっと愚痴っぽくなってしまいましたが、
次回は、では「なぜそんな危険や問題が有ることを承知で同居しなかったのか?」
私たち家族の考えや胸のうちを話します。
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