人としての「厚み」

仕事柄、いろいろなお客様とのご縁があるのはもちろんのこと、
時に深く、その方の「人となり」に触れる機会があります。

中国人のＬさんも、そんな弊社のお客様のお一人です。

青島出身のＬさんは、日本へ来て２４年になります。
当時はまだ３０歳前後の青年。

お父様、長兄の方が、中国共産党の地方要職に就かられている、
いわゆる「名家」の出の方ですが、
ここに至る人生は、波乱万丈だったようです。

若き頃、お父様の勧めで結婚された方は中国の有名女優。
（プライバシー情報のため、名前は伏せさせていただきますが、
きっとご存知の方も多いだろうと思われるメジャーな方です）
しかし、数年で離婚。

そもそも折り合いの良くなかったお父様との関係は、
このこともあって、更に冷え込み、
Ｌさんは、「家柄」とは距離を置いた環境で、
自身の人生を歩んでいこうと決心されます。

当時の離婚のことを「生き方の相違」といわれるＬさんは、
多くを語りませんが、その後は独身を選んでられます。

単身、日本へ来られて、貿易業を始められました。
一度は年商数十億円の規模まで事業を拡張されたとか。

その後、周りの裏切りにもあい、
急成長の角度をそのまま反転させるように事業は挫折。

以来、業界の一匹狼として渡ってこられたそうです。


Ｌさんと出会って、仕事の話しも酒席もご一緒しましたが、
直接お会いするなりしてお話しした時間は、
おそらく延べ２４時間も無いくらいでしょうか。

しかし、そのけっして長くは無い時間の中で、
充分すぎるくらいに、私はＬさんの「人として魅力」に惚れました。

日本のある商社（年商数千億円）の会長をして、
『日本人以上に、日本人の精神を持った人』
『「三国志」の中から、出て来たような人物』
とまで、言わしめたＬさんです。

大酒飲みで、物腰低く、かといってけっして人に媚びない。

『人生、たかだか８０年か、よく生きても９０年。
　　金に執着してもナンセンス。
　　　　国籍に執着してもナンセンス。
　私とあなた。人と人。
　　　そこに意義を感じられれば、その縁は何よりも勝る』

屈託ない笑顔で、Ｌさんがよく言われる話しです。

人としての『厚み』が違う・・・

活字の世界には無い、
活きた機会に恵まれたことに
心から感謝したい気持ちです。

Ｌさんとのご縁を結んで下さったＫさんにも、
心から感謝申し上げます。

「人と人」の関係を、これからも大切にしてまいります。

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