「町」を考える話。後編。
日本全国、町の風景としてよくある、地域の神社という存在。
よく手をかけられて、大事に守られてるな〜と感じる神社から、
なんとなくうら淋しい感じの神社までいろいろです。
かつては、町民=氏子(その神社の崇敬者)といった構図が成り立ち、
氏子会によって、権威的にも、経済的にも、神社の自立存続が可能でした。
でも、いま神社の運営を取り巻く環境はどんなことになっているんでしょうね?
大きな有名神社ならまだしも、町の小さな神社のお賽銭箱には、
いったいどれだけのお賽銭が入っているのか?
お世辞にも豊かとは言えないんじゃないかと想像してしまいます。
神社へ行くときって、初詣か七五三か、大体そんな感じじゃないですか?
ちなみに、私はちょっと変わっていて、毎月一日の朝にお参りすることを16年間続けています。
お賽銭は1,000円札の新札を入れます。裸銭ではなく、ぽち袋にも入れます。
私のことはいいんですが、ようは神社って年間何回行きますか?ってコトです。
そしてお賽銭。いくら入れていますか?
ほら。神社のお賽銭箱の中。想像がつきませんか?
私の地元にもこうした町の神社があります。
なかなか趣のある神社で、個人的にも大好きでした。
・・・でした。
そう。過去形になってしまったんです。
6月30日。夏越の大祓いの日、不意に家内と氏神様へお参りに行こうか、ということに。
境内に足を踏み入れた瞬間、なんともいえない不安感のようなものにまとわり付かれました。
始めは分かりませんでした。何が「おかしい」のか。
そう、無いんです。
木が・・・ 無い・・・。
あろうことか、御神木までもが切り倒されていました。
長く地元の自治会と共に在ったはずの神社。
実際は、所有地まわりを区画整理する頃からか、神社と町とでひとつボタンを掛け違え、
その後、またまたひとつ掛け違え、数十年も経つ頃には、氏子会も解散。
この数年では、神社が無償貸借で使用を認めていた保育園の敷地返還請求をめぐって裁判沙汰にまで。
境内に一角にあった公民館も立ち退き。
保育園跡地は売却。
そして、本殿前の様子が、この写真のとおりです。
結婚式場を建設し、その中に本殿も収めなおすとか。
運営をめぐっては、この神社の宮司の考えがあってのことでしょう。
簡単に異論など言えたものではない事くらい分かっています。
神社の理屈からすると、どうも単にこの町に暮らしている私たちは氏子ではないらしいですから。
建物の老朽化。
収益性の悪さ。
責任ある宮司の立場からすれば、黙って傍観してはいられない喫緊の課題ですよね。
宗教法人として、収益事業を展開することはけっして違法でもなければ、
若い男女の悲恋の言い伝えのある神社として、ロマンチシズムに訴えかけた結婚式場の経営も想定の範囲内かもしれません。
しかし、この境内をみて感じた寒々しさは何なんだろう。
まちづくりを考えるひとりの人間として、この神社の存在は、この町にとって当たり前であり、
神社にこの先何十年も、この町が見守られ、町の歩みと共に在るものだと信じきってました。
そこに何の疑いもなく、裏返せば、その存在の「有り難さ」を軽視していたのかもしれない。
御神木さえ切り倒すことには、少なからず私は失望を感じました。
失望なんてものでなく、心を切り裂かれた思いです。
しかし、この結果はいったい誰が作ったのだろう。
大事な町が、大好きな町が、こうも容易く姿を変えてしまう現実。
ショックを隠せない私に、仕事でお世話になっている大事なビジネスパートナーの社長さんが、こんな言葉をかけてくれました。
「この切り株の写真、残しておきましょう。
そして、こんなことが簡単に起きることがない町にしましょう!」
感情はともかくとして、知恵と覚悟と勇気をもって受け止めるべき、出来事なんでしょう。
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